トラック輸送産業の現状と課題(2)
このように見ると、トラック運送事業は今、大きな意識改革を求められている。量的拡大で売り上げの右肩上がりを追求する経営から@荷主貢献的な物流サービスで付加価値の増大および利益率の向上を重視する経営への転換、A受け身の経営から物流のプロとしての能動的な経営への転換、B車両というハード重視の経営から物流システムというソフト重視への経営への転換、C厳しい市場競争に生き残るためのどう猛さをもった経営、などが求められている。
 以上の視点から、トラック運送事業がこの新時代に求められることは意識改革であり、それに基づいた経営革新への挑戦である。そのためには、トラック運送事業各社はこの新しい時代を迎え、トラック運送事業をとりまく環境がいかに変化しているのかを洞察し、過去の山積する問題点をいかに解消していくのかを冷静に見極める時間が必要である。

* 出典元 社団法人全日本トラック協会 平成12年版 トラック輸送産業の現状と課題